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世界漁業・養殖業白書2016年(要約版)

すべての人の食料安全保障と栄養に貢献する漁業に向けて











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    Book (series)
    世界漁業・養殖業白書 2014年 (日本語要約版) 2014
     8億人もの人々が現在も慢性的な栄養不良に苦しみ続けており、世界の人口が沿岸の都 市部に集中しつつ2050年までにはさらに20億人増えて96億人にも達すると見込まれている 今日、将来の世代のために天然資源を保護しながら地球に住む人々に対して食料を供給す るという巨大な挑戦に我々は対処しなければなりません。  この新版の『世界漁業・養殖業白書』では、飢餓をなくし、健康を促進し、貧困を削減 するために漁業・養殖業が果たすべき重要な役割を強調しています。かつてないほどに人々 は多量の水産物を消費し、あるいは幸福を追求するために漁業・養殖業の分野に大きく依 存してきました。非常に栄養価が高い水産物は、とりわけ世界各地の貧しい地域のコミュ ニティでは、たんぱく質や必須栄養素として不可欠な源泉となっています。  漁業・養殖業は健康のためだけではなく、富の源でもあります。これらの部門での雇用 は、世界の人口増加を上回る速度で成長してきており、数千万人に仕事を提供し、数億も の人々の生計を支えています。水産物は世界で最も広く貿易が行われている食料品の一つ です。このことは途上国において特に重要であり、 国家の貿易額の過半に達することもあ るほどです。  しかしながら、漁業・養殖業の経済的側面の彼方を展望し、世界の全ての人々にとって 長期的に持続可能な繁栄を実現するためには、環境の健全さこそが人間の幸福に対応して いるのだということを確認することが必要です。この目的のために、責任ある持続可能な 漁業と養殖業を推進することは、私たちの仕事と目的の中心です。我々の地球の健康だけ でなく、人類の健康と将来の食料安全保障もまた、我々がいかに青い世界〔−海洋と内 水面−〕を取り扱うかにかかっているということを認識しなければなりません。より幅 広い生態系の管理と漁業・養殖業セクターでの管理の改善を提供するために、FAOは「ブ ルー・グロース」を推進し、水産資源の持続的で社会経済学的な管理のための一貫した構 想を追求しようとしています。すでに1995年に採択された「責任ある漁業のための行動規 範」における基準的な規範に定める原則に根ざして、ブルー・グロースは漁業・養殖業、 生態系サービス、貿易、社会保護に焦点を当てています。FAOが実施した戦略的構想の レビューに沿って、ブルー・グロース・イニシアチ ブ構想は水域の生物資源の経済的、社 会的、かつ環境に優しい持続的利用と保存の推進に焦点を当てています。そして、成長と 保存との間の優先度、および商業漁業と零細漁業・養殖業との間の優先度に関する調和と 均衡を目的とし、地域社会のための公平な価値を確保することを目指しています。これら の目標に到達するために、ブルー・グロース・イニシアチブはFAO全体の専門的能力を 利用しようとしているのです。  世界の貧困の緩和と食料安全保障に対して小規模漁業ができる重要な貢献を、FAOは 認識しています。多くの場合脆弱で、疎外された漁業者のコミュニティを強化するために、 FAOは「持続的な小規模漁業を確立するための自主的指針」の展開を積極的に支援して きました。また、「土地、漁業、森林の保有の責任ある管理に関する自主的指針」の実現 のために積極的に支援してきており、加盟国政府や非政府団体とともに作業してきました。こうした努力はまた国際家族農業年2014と大いに連携したものであり、この年に養殖− 特に小規模養殖業−の重要性を強調し、その発展を支援することとしています。  世界の食料生産は人口の増加を上回る ペースで続いており、養殖業は最も成長の早い食 料生産セクターの一つです。2012年の養殖業の生産は過去最高値を記録し、食料としての 水産物の生産量のほとんど半量を供給しています。今後は漁業による漁獲量の頭打ちと世 界の新興中産階級の需要増大とによって、この割合は2030年までには62%にも達するもの と予測されています。責任ある開発と実践が行われるならば、養殖業は世界の食料安全保 障と経済成長のための永続的な利益を創出することができます。  漁業・養殖業セクターは大きな課題に直面しています。それらは、違法・無報告・無規 制(IUU)漁業の惨劇から、有害な漁業慣行、投棄、貧弱な管理にまで及んでいます。し かし、これらの問題のすべては、より大きな政治的意思、戦略的パートナーシップ、すべ ての市民社会や民間部門とのより完全な関与によって克服することができるはずです。こ のためには、「寄港国措置に関する協定」等の国際的な手段を取り込んで確実に適用する ことによって、優れた管理を促進するとともに、ビジネスや産業界との革新的な解決を促 進することが必要です。我々は皆、果たすべき役割を持っているので す。それは、現在お よび将来の世代のために、責任を持って持続的に繁栄する漁業と養殖業を可能とすること です。  この点で、皆さんがこの刊行物『世界漁業・養殖業白書』が貴重な参照ツールであるこ とに気づき、我々の目的とする食料安全保障と持続的な未来に向けて漁業・養殖業が果た しうる不可欠な役割についての皆さんの理解を深めることを、私は強く願っています。 FAO事務局長 ジョゼ・グラジアノ・ダ・シルバ
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    Book (series)
    世界漁業・養殖業白書 2006年 日本語要約版 2007
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     「世界の漁業・養殖業の現状 (The State of World Fisheries and Aquaculture)」(通称SOFIA(ソフィア))はFAO水産養殖局が2年ごとにまとめている世界の漁業・養殖業についての報告書であり、いわば日本の水産白書のようなものです。2年ごとにローマのFAO本部で開催されるFAO水産委員会(COFI)に時期をあわせて公表していますので、最新のものは今年3月、第27回水産委員会開催時に発表された2006年版、通称「SOFIA2006」です。「SOFIA2004」に続き、その日本語の要約版を(社)国際農林業協働協会(JAICAF)がFAO日本事務所の協力により「世界漁業・養殖業白書2006年」として作成しました。  「SOFIA2006」がその根拠としている統計データは、一部2005年の推定値も含まれますが、基本的にはFAO加盟国の協力で収集された2004年までのデータです。世界の漁業と養殖業は2004年に約1億600万トンの魚介類を食用として世界に供給しました。一人当たりの供給量にすると16.6kgになると予想されており、どちらも過去最高です。魚 介類および同加工品の貿易額も2004年には715億USドルという記録的な額に達し、この4年間に23%の急成長を見せています。つまり、漁業および養殖業の食料安全確保への貢献度は、ますます高まっていると言えるでしょう。
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    Book (series)
    世界漁業・養殖業白書 2008年 日本語要約版 2009
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     「世界の漁業・養殖業の現状 (The State of World Fisheries and Aquaculture)」(通称SOFIA(ソフィア))はFAO水産養殖局が2年ごとにまとめている世界の漁業・養殖業についての報告書であり、いわば日本の水産白書のようなものです。2年毎にローマのFAO本部で開催されるFAO水産委員会(COFI)に時期をあわせて公表していますので、最新のものは今年3月、第28回水産委員会開催時に発表された2008年版、通称「SOFIA 2008」です。その日本語の要約版を(社)国際農林業協働協会(JAICAF)がFAO日本事務所の協力により「世界漁業・養殖業白書2008年」として作成しました。  「SOFIA 2008」がその根拠としている統計データは、一部2007年の推定値も含まれますが、基本的にはFAO加盟国の協力で収集された2006年までのデータです。世界の漁業と養殖業は2006年に約1億1,000万トンあまりの魚介類を食用として世界に供給しました。一人当たりの供給量にすると16.7kgになるとされています。漁獲量はほぼ横ばいですが、養殖生産量は伸び続 けており、2006年には世界の食用水産物供給量の47%に達しました。水産物貿易額も2006年には859億米ドルと更に増加しました。つまり、漁業及び養殖業の食料安全保障への貢献度は、ますます高まっていると言えるでしょう。

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