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Booklet世界食料農業白書 2021年報告―要約版
ショックやストレスに対する農業・食料システムのレジリエンスを高めるために
2022FAOの報告書『The State of Food and Agriculture 2021』の要約版を翻訳・刊行しました。 新型コロナウイルスのパンデミックは、農業・食料システムのショックやストレスに対する脆弱性を露呈し、世界的な食料不安と栄養不良の増加をもたらしました。農業・食料システムをよりレジリエンスがあり、効率的で、持続可能かつ包括的なものにするための行動が求められています。 本書では、農業・食料システムのレジリエンスに関する国レベルの指標を提示しています。この指標は、一次生産と食料の入手可能性、および食料への物理的・経済的アクセスを測定するものであり、レジリエンスの重要な側面である、各国の農業・食料システムが持つショックおよびストレスの吸収能力を評価するのに役立つものです。 本書は、食料サプライチェーンの脆弱性と、農村世帯がリスクとショックにどのように対処しているかを分析するとともに、レジリエンスの構築によって、効率性と包摂性とのトレードオフをいかに最小限に抑えるかについても論じています。そして、食料サプライチェーンのレジリエンスを高め、農業・食料システムにおける生計を支え、混乱に直面してもすべての人に十分で安全かつ栄養のある食料への持続的なアクセスを確保する政策についての手引きを提供しています。 -
Booklet世界食料農業白書 2020年報告―要約版
農業分野の水問題を克服するには
2022本書は、灌漑農業における「水欠乏」と天水農業におけ る「水不足」の規模や、これらの影響下にある人口の最新の推定値を示しています。 明らかになったのは、国家間で水制約の状況に大きな隔たりがあるだけでなく、国内 地域間でも大幅な空間的ばらつきがみられるという事実です。こうしたエビデンス は、各国が水問題の性格や程度はもとより、農業生産システムのタイプや国の発展レベル、政治体制といったさまざまなファクターに応じて適切な政策や介入策をいかに 決定していくかといった論議に役立てることができます。こうした考察を踏まえ、本白書は、農業における水制約の打開と、効率的で持続可能かつ公平な水アクセスの確保 に向けて、各国が政策や介入策を適切に優先づけていくための手引きを提供しています。 -
Brochure, flyer, fact-sheet世界食料農業白書2015年報告
社会保護と農業―農村貧困の悪循環を断つ
2018貧困と飢餓の削減を掲げたミレニアム開発目標の取り組みでは、大きな 前進が見られたものの、世界では今なお10億人近くが極度の貧困(1日当 たり1.25ドル未満)の中で暮らし、7億9,500万人が慢性的な飢餓に苦し む。2030年までに貧困と飢餓の根絶を目指す新たな「持続可能な開発目 標」の実現には、更なる取り組みが必要だ。最貧層の多くは途上国の農村 部に暮らし、生計を農業に依存している。こうした人々は、貧困による栄 養失調が甚だしく、貧困が親から子へと世代を超えて引き継がれる負の 連鎖に陥っている。 多くの途上国は、こうした農村部の貧困の連鎖を断ち切るために、社会保 護と農業開発を組み合わせた新たな戦略を取り入れ、成果を上げている。 寡婦や孤児への給付金や、公共事業による貧困層への雇用保証といった 社会保護策は、こうした社会的・経済的弱者を深刻な困窮状態から救う ことができる。社会保護により、世帯は食料消費を増やし、食事を多様化 することができる。また、自分の土地での農業生産や新たな事業の立ち上 げのために、貯蓄や投資をすることもできる。農業開発プログラムは、 小規模家族農家が市場にアク セスしたり、リスクを管理するのを支援し、 雇用機会を創出することで、こうした家庭の自立を促し、レジリエンス (強靭性)を強化する。社会保護と農業振興を組み合わせ、一体的に取り 組むことで、農村部における貧困の連鎖を断ち切ることが可能となる。
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